話題の金融庁のレポートを読んでの感想
「老後は2000万円必要」という文脈で話題(というか炎上)になっている金融庁の報告書を読んでみたのですが、今の日本をとらえためちゃくちゃまともな内容なのでは…?と思ったしとても勉強になりました。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会に置ける資産形成・管理」
報告書の内容
報告書の内容はざっくりまとめると、
・日本はかつてない高齢社会を迎えるよ
・長く生きて長く活躍するのは素晴らしい事だけど、その分お金も必要になるよね
・長い老後を豊かに暮らすために、マネープラン・ライフプランをちゃんと考えて、必要な自助努力をしていこう
・つみたてNISAやiDeCoのような制度も、必要に応じて利用してね
・資産作りをするなら、時間というメリットを踏まえて現役世代のうちから長期・積立・分散投資をするのがいいと思うよ
という感じ。
すごくまともで真っ当じゃないですか…!
その中で確かに、例の2000万円足りないというくだりがありますが、これは高齢世帯の収入・支出の平均的なデータから掛け算で単純計算したもの。
万人に当てはまるわけではないから参考数字なのだし、そもそも年金だけで老後をまかなえるとは思うほど楽観視していないので、目安を示してもらっただけありがたいと私は思いました。
また、こんな記載もあって、ちゃんと現実を見てるじゃん…!と思って感動しました。
時代は変わっているのに、いまだに結婚や出産について時代遅れな失言をする政治家がいるし、政策が間に合っていなくて問題山積なのは事実だけど。現実を見て対処を考えている人がいるのは希望だなと。
このようにライフスタイルが多様化する中では、個々人のニーズは様々であり、大学卒業、新卒採用、結婚・出産、住宅購入、定年まで一つの会社に勤め上げ、退職後は退職金と年金で収入を賄い、三世帯同居で老後生活を営む、というこれまでの標準的なライフプランというものは多くの者にとって今後はほとんどあてはまらないかもしれない。今後は自らがどのようなライフプランを想定するのか、そのライフプランに伴う収支や資産はどの程度になるのか、個々人は自分自身の状況を「見える化」した上で対応を考えていく必要があるといえる。
新たな気づきもあった
①退職金制度は8割の企業にある!?
報告書の中に退職金制度のくだりもあるのですが、80.5%の企業に退職金制度があるとのこと。
企業規模によって違いはあるものの、労働者数100〜299人の企業では84.9%、労働者30〜99人の企業でも77.6%で制度があるそうです。
新興企業だとないところも結構あるのかな〜くらいに思っていたのですが、かなり多くの企業で導入しているんですね。
まぁ退職金も、その分現行の給与に反映する方針だったり積立型だったり、企業によって様々だと思いますが。
②「成年後見制度」は検討したい
報告書の中には「成年後見制度」の話もあって、これは真剣に検討したいな〜と思いました。
成年後見制度とは、本人が認知症などになり判断や各種手続きが難しくなってしまったとき、別の人=後見人が代理となって本人の財産を守れる制度。高額の買い物を無効にできたりもするそうです。
判断が難しくなった事後に後見人を定めることもできるし、将来に備えて事前に決めておくこともできます。
平均寿命が80代まで伸びたとはいえ、健康寿命は男性72歳、女性75歳。私の両親もだんだんとそこに近づいていくのが現実です。
何かあってからでは遅いし、預金などの財産があるのに本人の意思を反映できずなす術なしになってしまったらやるせないので、今のうちにすり合わせておかないとなと思いました。
大事なのは「自分はどう生きるか」だから、情報に踊らされず、現実を見て備えなければですね。